
リフィル処方箋って何?
分割調剤とは違うの?

なんだかややこしそう…。
調剤報酬改定2022に向けて、動きが活発になってきており、1月26日資料には、以前より取り沙汰されていた
「リフィル処方箋」について具体的に言及されています。
調剤報酬2022で目玉となりそうなこのリフィル処方箋についてまとめました!
リフィル処方箋とは?【調剤報酬改定2022資料より】
第1 基本的な考え方
症状が安定している患者について、医師の処方により、医師及び薬剤師の適切な連携の下、一定期間内に処方箋を反復利用できるリフィル処方箋の仕組みを設ける。
(出典:中央社会保険医療協議会総会)

リフィル処方箋になることで、病院に行かずに医薬品がもらえるのは患者さんにとっては大きなメリットになりそうですね。
リフィル処方箋の様式は?【調剤報酬改定2022資料より】
第2 具体的な内容
リフィル処方箋について、具体的な取扱いを明確にするとともに、処方箋様式をリフィル処方箋に対応可能な様式に変更する。
(出典:中央社会保険医療協議会総会)
(出典:中央社会保険医療協議会総会(第513回)より抜粋・編集)

リフィル処方箋の処方欄下部に「リフィル可」と回数の項目がありますね。
それと備考欄下に「調剤日」と「次回調剤予定日」の項目があります。
リフィル処方箋の対象患者【調剤報酬改定2022資料より】
(1)医師の処方により、薬剤師による服薬管理の下、一定期間内に処方箋の反復利用が可能である患者
(出典:中央社会保険医療協議会総会)

リフィル処方箋の対象は、慢性疾患でかつ症状が安定している患者ですね。
あとは、症状が安定していてもリフィル処方箋の「仕組みを理解」
リフィル処方箋における留意事項【調剤報酬改定2022資料より】
(1)保険医療機関の保険医がリフィルによる処方が可能と判断した場合には、処方箋の「リフィル可」欄にレ点を記入する。
(出典:中央社会保険医療協議会総会)

これ、処方医が記入したかどうかはどうやって判断するのでしょう…?
リフィル処方をしてほしい患者が勝手に記入しないでしょうか…。
(2)リフィル処方箋の総使用回数の上限は3回までとする。また、1回当たり投薬期間及び総投薬期間については、医師が、患者の病状等を踏まえ、個別に医学的に適切と判断した期間とする。
(出典:中央社会保険医療協議会総会)

具体的な日数の記載は無いですね。30日分×3回が上限でしょうか。
それ以上は現実的でないような…(個人の感想です)
(3)保険医療機関及び保険医療養担当規則において、投薬量に限度が定められている医薬品及び湿布薬については、リフィル処方箋による投薬を行うことはできない。
(出典:中央社会保険医療協議会総会)

向精神薬などもリフィル処方箋の対象外になりそうですね。
湿布は…まあOTCを買えとw
(4)リフィル処方箋による1回目の調剤を行うことが可能な期間については、通常の処方箋の場合と同様とする。2回目以降の調剤については、原則として、前回の調剤日を起点とし、当該調剤に係る投薬期間を経過する日を次回調剤予定日とし、その前後7日以内とする。
(出典:中央社会保険医療協議会総会)

リフィル処方箋の予定日を患者が忘れないかな…忘れられそう…。
その場合は疑義照会になるのでしょうか、処方箋再発行になるのでしょうか?
(5)保険薬局は、1回目又は2回目(3回可の場合)に調剤を行った場合、リフィル処方箋に調剤日及び次回調剤予定日を記載するとともに、調剤を実施した保険薬局の名称及び保険薬剤師の氏名を余白又は裏面に記載の上、当該リフィル処方箋の写しを保管すること。 また、当該リフィル処方箋の総使用回数の調剤が終わった場合、調剤済処方箋として保管すること。
(出典:中央社会保険医療協議会総会)

「リフィル処方箋の写しを保管すること」ということは、原本は患者保管ですね。
紛失しそうですね…。
(6)保険薬局の保険薬剤師は、リフィル処方箋により調剤するに当たって、患者の服薬状況等の確認を行い、リフィル処方箋により調剤することが不適切と判断した場合には、調剤を行わず、受診勧奨を行うとともに、処方医に速やかに情報提供を行うこと。 また、リフィル処方箋により調剤した場合は、調剤した内容、患者の服薬状況等について必要に応じ処方医へ情報提供を行うこと。
(出典:中央社会保険医療協議会総会)

「必要に応じ」だから必須ではないのかな。
情報提供の手段はどうしようかな。電話は現実的じゃないのでFAXかな。
何かフォーマットを作っておこう。
(7)保険薬局の保険薬剤師は、リフィル処方箋の交付を受けた患者に対して、継続的な薬学的管理指導のため、同一の保険薬局で調剤を受けるべきである旨を説明すること。
(出典:中央社会保険医療協議会総会)

家が近ければいいけど、遠いと家の近くでもらってもらった方が良さそうですね。
「べき」なので必須ではなさそうです。
(8)保険薬局の保険薬剤師は、患者の次回の調剤を受ける予定を確認すること。予定される時期に患者が来局しない場合は、電話等により調剤の状況を確認すること。患者が他の保険薬局において調剤を受けることを申し出ている場合は、当該他の保険薬局に調剤の状況とともに必要な情報をあらかじめ提供すること。
(出典:中央社会保険医療協議会総会)

で、電話かあ…。まあ…。うん…。
リフィル処方箋と分割調剤の違いは?【調剤報酬改定2022】

リフィル処方箋のことはだいたいわかったけど、これまでの分割調剤とは違うの?

それですよね…。
リフィル処方箋と分割調剤では現時点わかっていることとして、以下の違いがあるのではないかと思います。
【リフィル処方箋と分割調剤】物理的な違い
リフィル処方箋と分割調剤、どちらも3回と仮定します。
リフィル処方箋が1枚を3回使いまわすのに対し、分割処方では発行の時点で3枚(+1)発行されます。
まずは物理的に処方箋発行の枚数が違います。
【リフィル処方箋と分割調剤】目的の違い
リフィル処方箋の目的は「患者の通院負担の軽減」のようです。財務省が言い出したみたいですね。
厚労省じゃないんですね。
対して分割調剤の目的は、
1.長期保存が難しい薬剤
2.後発医薬品を初めて使用する場合
3.服薬に不安があり薬剤師のサポートが必要と医師による指示がある場合
に限られています。
特に「3.服薬に不安があり薬剤師のサポートが必要と医師による指示がある場合」はリフィル処方箋とはコンセプトが真逆ですね。
このように、リフィル処方箋と分割調剤とでは導入の目的に大きな違いがあります。
【リフィル処方箋と分割調剤】概念の違い
リフィル処方箋と分割調剤では、そもそもの概念が異なります。
例によって、「1回30日分を3回調剤する」と考えます。
リフィル処方箋は「30日×3回」、分割調剤は「90日分÷3回」となります。
リフィル処方箋と分割調剤の違いまとめ【調剤報酬改定2022】
リフィル処方箋と分割調剤についてまとめました。
リフィル処方箋の導入が成功するか失敗するかが、今後の薬剤師の働きにかかわる大きな分岐点となりそうです!
診療報酬改定直後は、リフィル処方箋について処方医や患者からの質問も増えることが考えられます。
最新情報をぜひ学んで、取り残されないようにしましょう!