一人薬剤師はきつい?経験者が解説【⬅︎実は、ただのお宝求人です】

薬剤師の仕事

今回は求人情報でよく見かける『一人薬剤師』についてお話しします。

 

薬剤師のマサヒです。

これまで14年の薬剤師経験があり、実際にいくつかの店舗で『一人薬剤師』を経験しました。

今でこそ不安はありませんが、やはり初めて一人薬剤師の店舗へ配属となるときにはビビりました。

 

ただ、一人薬剤師店舗を経験した今では、「メリットだらけ!」「ずっと一人薬剤師店舗がいい!」と、心から思います。

しかし当然、人によっては不向きがありますので、一人薬剤師が合わない方もいるのも事実です。

 

そこで今回はこの『一人薬剤師』について、私の体験をもとにメリットとデメリットを紹介いたします。

「一人薬剤師の求人に興味があるけれど、経験がないので心配!」という方のお役に立てば幸いです。

 

一人薬剤師のデメリット

まずは、一人薬剤師のデメリットについて紹介いたします。

一人薬剤師は、ひとりですべての薬剤師業務を担うことになる

『一人薬剤師』なので当たり前ですね。

まず、薬剤師としての仕事は全てひとりでしなくてはいけません。

調剤・投薬・監査のルーティン業務はもちろん、在宅業務や疑義照会、不足薬のお届けもひとりです。

 

また、何かわからないことがあっても他の薬剤師に聞くことはできません。

基本的には自分で調べるなりして、対応する必要があります。

 

ただ、何もかもわかっていなければできないかというと、そうではありません。

わからないときに、

・何を調べるか(書籍、インターネットなど)

・どこに質問するか(薬剤師会、製薬会社など)

・すぐに答えられない質問への対応(後日、電話にて返答するなど)

これを自分の中で整理しておけば、トラブルなくたいていの質問には対応可能です。

 

一人薬剤師は、忙しくてもひとりで対応しないといけない

当然ですが、一人薬剤師なので忙しくても自分ひとりで対応する必要があります。

一包化や粉砕、疑義照会や不足薬の分譲依頼など、時間がかかる業務が重なっても分担することはできません。

 

しかしこれも、経験によって対応可能です。

忙しい時に気になることはたったひとつ、患者の待ち時間ですよね?

まずは一人薬剤師のため、患者に時間がかかることを説明し、理解を得ましょう。

一旦外出してあとで取りに来てくれたり、「気長に待っているよ」と優しい言葉をかけて下さる患者もいます。

焦って自身がパニックになることだけは避けましょう。

 

一人薬剤師は、休憩時間が中断され、あまり休憩した気にならない

麺類はご法度

一人薬剤師である以上、これだけは避けようがありません。

調剤薬局では中抜け時間に閉店することが出来ません。

クリニックの午前診が終わったからと言って、ゆっくりランチとはいかず、食事中でも患者来店やメーカー訪問、電話対応などでやむなく中断することもしばしばあります。

「ひとつの弁当を何段階に分けて食べなアカンねん!」とつい、ボヤくこともありました。

 

もちろん、毎日ではないです。私のいる薬局では中断するのは週に1〜2回でしょうか。

ただ中断しない日でも、「患者がくるかもしれない」と思いながら食べているので、ゆっくり安心して食べられてはいません。

当然ながら、カップ麺はご法度です!大変な目に遭います(笑)

 

一人薬剤師は、シフト調整の選択肢が少なくなる

一人薬剤師の店舗は、周辺店舗スタッフとの普段の関係性にもよりますが、シフトの調整が困難です。

まず、他店舗の協力がないと休めない状況が若干ストレスです。

人員状況によっては、1ヶ月以上前に言わないと休みが取れないこともあったので、急に子供の学校行事などが入った場合は代理が見つからずに諦めたこともありました。

 

反対に自店舗に薬剤師が複数いれば、開店時間より30分ゆっくり出勤したり、閉店時間より1時間早く上がったり、調節もある程度の融通がききます。

一人薬剤師の場合はそうはいかず、30分や1時間のために他店舗からヘルプを呼ぶわけにもいかないので、シフト調節の幅は狭くなってしまいます。

薬剤師3人が2人になっても開店できますが、薬剤師1人が0人になっては営業できません。

 

シフト調整の前にまず、薬剤師の休日数について知りたい方はこちら!

週休2日制と完全週休2日制の違い、ご存知ですか?

 

一人薬剤師のメリット

では、ここからは一人薬剤師のメリットについてお話しします。

一人薬剤師は、人間関係、全く気にしなくて良し!

人間関係からの解放

当然ですが、他の薬剤師との人間関係の心配が皆無です。いませんので(笑)

あとは事務員との関係を良好に保てばいいだけなので非常に簡単です。

もし最悪、その事務員との関係が悪くなっても、会社としては事務員より薬剤師を重宝するはずなので、心配無用です。(ただ、よほど薬剤師側に非があれば話は別です)

 

ただ、いつも人間関係がうまくいかないという方、あなたのせいじゃないです。

薬局薬剤師の人間関係はどうしてもうまくいかなくて仕方がない部分があります。

 

一人薬剤師は、自身のペースでストレスフリー!

仕事も自分の好きなように進めることができます。

もちろん、来店患者にはその場で対応する必要があります。

ただ、それ以外の予製剤や在庫整理、書類作成など、人目を気にせずに自分のやりたい仕事を自分のやりたいタイミングで進めることができます。

 

一人薬剤師は、相談・申し送り不要!好きなやり方を気楽に実行できる!

薬局内の決まりごとも当然ながら、自分の好きに決めることができます。

例えば在庫管理方法を変えたい、薬品棚の品目を入れ替えたいなど、自分の思いついた時にすぐ変更できます。

そして何より、その新しいやり方がイマイチだったら元に戻す朝令暮改も自由です。

 

薬剤師が複数いれば、

・新しいやり方をしたいが、どうか

・実行に向けて詳細設定

・やってみて続けるかどうか

などと、いくつも段階を踏む必要があり非常に煩わしいです。

ひとりだとこの段階をすっ飛ばせるので、スムーズに仕事が進みます。

 

一人薬剤師は、追い詰められて仕事のキャパが増える!

薬剤師としてのステージは上がる

一人薬剤師を一度経験すると、自身の仕事のキャパは確実に広がります。

「これくらいはひとりでできる」と自信がつくのです。

 

また、上述の『一人薬剤師のデメリット』の項で述べたように、ひとりですべての業務を行うため、忙しい時、わからない時の対応も身につきます。

もし先々、一人薬剤師でない薬局で働くことになっても、一人薬剤師で働いた経験は必ず役に立ち、周りのスタッフからとても頼りにされるでしょう。

(でも、個人的にはできればずっと一人薬剤師がいいです)

 

一人薬剤師は、そもそも給与が高いことが多い!

「一人薬剤師は絶対に嫌っ!」という人が一定数いることも事実です。

「責任を取りたくない」と考えている人に多いです。

 

そのため、「一人薬剤師でもいいです」と言える人は希少なので重宝されます。

そして会社としても、薬剤師を複数雇うよりも一人薬剤師の方が人件費は抑えられるので、条件は良くなります。

 

薬剤師の給料についてですが、年俸制と月給制の違いってご存知ですか?

過去の記事にまとめていますので、ご存知ない方はこちらをどうぞ!

 

一人薬剤師で、調剤監査時にしていること

一人薬剤師のデメリットとメリットをここまで述べてきました。

一人薬剤師は個人的には非常にオススメなのですが、どうしても一人である以上、調剤ミスはこわいです。

錠剤監査システムが導入されていれば一安心ですが、導入されていなければ自力で調剤鑑査をする必要があります。

しかし、どうしても人の手ですることですので、ミスをゼロにすることは難しいです。

が、ゼロに近づける努力は必要です。

そこで私が普段、一人調剤監査時に行なっている対策についてお話しします。

どれも当たり前のことですが、意外と忘れがちです。

 

薬袋の写真で確認する

レセコンから薬袋が排出される場合、薬品名だけでなく錠剤PTPシートの画像も印刷されるように設定しましょう。

この画像と実物の錠剤を見比べることが、監査では非常に効果的です。

つい見落としてしまいがちな、薬品名だけでは類似しているmgなどの規格違いや、ジェネリックと先発の取り違えなどをブロックできます。

 

あえて、ゆーっくり監査する

一呼吸おいて対応する

外来患者が重なって「これはやばいなー」というときはあえて一呼吸おき、冷静に対応するように努めます。

待合いが混みあっていれば、患者側もある程度、待ち時間への理解を示してくれるでしょう。

来店時に「時間がかかります」と、先に一声かけるのもいいでしょう。

内容から判断し、「〇〇分ほどかかります」と、あらかじめ目安をお伝えするとなお良しです。

その際、不慮の事態に備えて、所要時間は必ず少し多めに見積もっておくことも大事です。

 

ただ大事なのは、焦って間違えないために、あえてゆっくりするということ。

ダラダラゆっくりするというわけではありませんので、勘違いのないように。

 

事務員に薬品チェックしてもらう

0402通知で薬剤師以外の調剤補助が公的に認められました。

これまでは表立って事務員が調剤室に踏み入ることはできませんでしたが、現在は問題ありませんので堂々とチェックしてもらいましょう。

 

ただ注意点は、事務員が積極的に関わってくれるかどうか。

そして、責任の所在は当然、薬剤師にあります。事務員にしてもらうのはあくまでチェックです。

万が一、ミスが発覚しても、事務員の追及はくれぐれもしないように注意しましょう。

 

患者と一緒に確認する

患者と一緒に薬を確認する

私は一人薬剤師のとき、最終チェックはいつも患者と一緒にしています。

やはり患者は毎日自分の薬を見ていますので、いつもと違う薬が入っていれば、気が付きやすいです。

できれば投薬台では口頭での服薬指導だけでなく、一緒に確認するようにしましょう。

 

一人薬剤師のまとめ

いかがだったでしょうか。

今回は一人薬剤師について、実際の経験よりお話しをさせて頂きました。

私は初めて管理薬剤師を任された店舗が一人薬剤師の店舗でした。

最初はビビっていましたが、いざ一人でやってみると意外と快適…(笑)

 

ある程度の経験があって、薬局内の人間関係が煩わしいと感じている方、スキマ時間を有効活用したい方には、一人薬剤師はぜひオススメです!

ただ、知識や経験に自信がなく、いざというときの判断に不安をお持ちの方にはオススメできません。

 

ただ、先述した0402通知から薬剤師の今後を考えると、一人薬剤師が求められることはこれから絶対に増えてくると断言できます。

今のうちから一人薬剤師でもやっていけるよう知識と経験を積んでおかないと、厳しい将来が待っているかもしれません。

 

最後に、一人薬剤師にオススメの転職エージェントはこちらの「ファルマスタッフ」です。

公式サイト内に「フリーワード検索」機能があるので、そこから『一人薬剤師』を抽出して検索可能でした。

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私も複数回転職を経験しましたが、正直これ一社で充分と感じました!

その理由はこちらの記事にもまとめています!すぐに読めるのでぜひご覧ください!

 

今回も最後まで読んで頂き有り難うございました。

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