調剤薬局の大手中小を徹底比較!転職するなら?年収?働きやすさ?

薬剤師の転職

今回は、転職時に悩みがちな大手調剤と中小調剤とを、実体験をもとに比較します。

私も調剤薬局へ転職の時、このテーマで悩みました…。ですが今は、どちらも経験した上での結論があります。もし同じ悩みを今抱えている方がいらっしゃるなら、この記事がお役に立てればうれしく思います。

大手調剤薬局の長所

企業の安定感

これが一番のメリットだと思います。これから先は特に調剤薬局のM&Aは加速していくと思われるので、安定・安心を求める方には大手調剤薬局が向いているでしょう。

ただし、2016年に葵調剤が調剤最大手のアインHDに買収された例もあります。この葵調剤は115店舗を展開していました。これだけの規模でも買収の可能性があるのであれば、よほど大手調剤薬局じゃないと安心はできないかもしれません。

 

幅広いキャリアパス

薬局薬剤師のキャリアとして、一般薬剤師➡︎管理薬剤師➡︎エリアマネジャー…というように、現場での活躍が一般的です。しかし大手では、例えば人事部門や教育研修部門、開発部門など、幅広いキャリアに挑戦できる可能性があります。

「調剤業務もう飽きたー」なんて方には、大手で幅広いキャリアへの挑戦という道もあるでしょう。

 

 

福利厚生

産休・育休などを始め、各種福利厚生は大手調剤薬局の方が圧倒的に整っています。また、福利厚生の一環として各種手当が整っているかも見逃せないポイントです。例えば「かかりつけ薬剤師」が重点化されていく中、考えられるのが「電話当番手当」が導入されているかどうか。

大手調剤薬局に比べると中小調剤薬局で、社内規定としてしっかりとルールが整備されているところは少ないのでは無いでしょうか。このように大手調剤薬局に比べると、中小調剤薬局は社内ルールの整備が改定に追いついていません。

重要視されないことが多いですが、実は大きなポイントです。

 

教育制度の充実

個人的には重要視していませんが、大手調剤薬局のメリットとしてよくあげられる項目です。大手調剤薬局では整っている反面、中小調剤薬局では整っていないどころか、そもそも教育制度自体が存在しないことも珍しくありません。

ただ、大手調剤薬局の「整っている」と言っても言葉ばかりであったり、学習できたとして実際の業務に反映できるかは疑問です。

また研修制度があっても、休みの日に半ば強制的な研修会があったりもします。

個人的には、薬剤師の業務は経験で身についていくものだと思っています。経験者はもちろん、新卒生や未経験者であっても、教育制度の有無に関しては私はあまり重要視しなくていいと思います。

 

大手調剤薬局の短所

中途採用の場合、年収が低い

給与体系がしっかりと定められており、融通が利きません。

また新卒生を獲得できる分、中小調剤薬局に比べて人手に困っておらず、「高い年収を出しても中途を獲得したい」ことも無いので、交渉の余地も無いです。

中小調剤薬局に比べると低めスタートで、昇給することで将来的には中小調剤薬局を追い抜くとも言われますが、このご時世なので保証は無いです。

給与が優先順位の上位にある方であれば、現在の年収を提示してくれる中小調剤薬局の方が確実です。

 

全国規模の転勤の可能性

正社員薬剤師の場合だと大手調剤薬局の一番の短所はこれになります。

大手調剤薬局である以上、全国展開で出店ペースも速いため、全国的な転勤の可能性は避けて通れません。

入職時に転居を伴う異動の無い「地域限定社員」のような雇用も選択できますが、ただでさえ低い給与が下がりますし当然、「全国転勤可」のライバル社員よりも出世は遅れることになるでしょう。

 

ルールが細かい

これもなかなかしんどいです。

どうしても株式上場している大手調剤薬局は、株主への説明責任が生じるので、各種報告書や経費ひとつとっても非常に細かいルール設定がなされています。

中小調剤薬局から大手調剤薬局にチャレンジする場合は、ここが大きなハードルになり躓く可能性があるので注意が必要です。実際、私は適当な性格ですので、かなり苦労しました。

 

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中小調剤薬局の長所

給与の融通が利くので、初任給が高い

特に人手不足で確保に急を要している場合、破格の値段交渉が可能です。大手調剤薬局に比べると100万円単位で変わってきます。ただ、大手調剤薬局に比べると昇給率は低いかも。

またポジションも限られているので、頭打ちは早めに訪れるでしょう。

 

異動は少なく、あったとしても範囲が限られている

中小調剤薬局と言っても複数店舗を展開している場合、正社員なら異動は無いとは言い切れませんが、大手調剤薬局に比べると少ないです。

希望しない限りは一つの店舗で長く止まることができるでしょう。昨今の改定で「地域」が一つのテーマになっているので、そういった意味でも、現在求められている薬剤師の働き方に近いと思います。

ただ反面、人間関係でうまくいかなかった場合の逃げ場は無いことは、覚悟する必要があります。

 

 

社長との距離が近い

良い経営者に巡り会えれば、従業員への思いや会社・患者さんへの思いを聞くことで、自身の仕事へのモチベーションに変えられることができるでしょう。

また、独立を視野に入れている方も、考えや仕事を学ぶことができることもあります。

 

中小調剤の短所

将来への不安

中小調剤薬局ならば避けられない問題です。最近は改定の度、明るい話は聞かないですし。

ただ上述した葵調剤の例もあります。繰り返しにはなりますが、よほどの大手調剤薬局で無い限り買収の不安はぬぐえないと思います。

個人的には我々、国家資格所有者はつぶしがきくので気にしても仕方ないかな、と思っています。

私が学生だった15年以上前でも既に、薬剤師が飽和するとか言われていましたが、まだまだ薬剤師は不足しているのが現状です。それだけタンス免許が多いってことです。偉い人たちの見通しよりも現実は15年以上も遅れているので、仕事がなくなるのはまだまだ先ですネ。

 

人事が安定しない

これが大手調剤薬局との決定的な違いです。

大手調剤薬局はネームバリューがあるので毎年、定期的に新卒生を大量獲得できますが、中小調剤薬局はそうはいきません。加えて昨今の、国家試験の合格率の低さが影響し、中小調剤薬局は新卒自体が獲得しにくくなっています。

人材の獲得が中途ばかりでは急な退職にも対応できず、安定するはずもありません。

 

社長との距離が近い

これは長所にも入れましたが、経営者によっては短所になり得ます。むしろ短所の方が多いかなー。

経営者自身、もしくは経営者の身内ばかり景気のいい部分が見えてしまうと、従業員としてはやる気無くしますよねー。中小調剤薬局はそういう経営者が多いように思います。見なくていい部分が見えてしまうのはちょっと辛いですよね。

 

私の経験より

大手はしっかりとした土壌があるので、経験が身についている人は馴染むのに苦労すると思います。

実際、私もそれで苦労しました。また、大手調剤薬局では新卒からの生え抜き社員による、中途潰しなるものも珍しく無いようです。

あと、中途でそれなりの経験を積んでいると、年収もそこそこ上がっているはずなので、そこから大手調剤薬局に行くとまずキープできません。年収は確実に下がります。

「大手調剤薬局➡︎中小調剤薬局」や「中小調剤薬局➡︎中小調剤薬局」は年収も上がる可能性が高いですし、それまでの経験を生かす働き方ができると思います。

私は、「中小調剤薬局➡︎大手調剤薬局」で失敗したパターンですので、もし同じような境遇の方で中小か大手かで悩んでいる方がいらっしゃれば、少しでもこの記事がお役に立てれば幸いです。

 

以上、今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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